私的東アジア世界史概要

2001年5月14日

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【第1期】 原始時代

中国も朝鮮も日本もない時代 大枠で言えば、アジア太平洋は一体の地域である。ポリネシア人でさえ、中国大陸南部から、カヌーで太平洋諸島に移住、ハワイにまで到達しているのに、この時代(縄文時代)の(日本)列島が海によって孤絶していたなどと言うことはあり得ない。この時代は長期にわたるが、今から約1万4千年前には中国長江流域で稲作が始まる。列島の縄文文化も、これと無縁ではないだろう。この時代の東アジアは大枠で一体の地域であるが、人々は民族など形成せず、氏族部族的段階で生活している。

 

【第2期】 黄河長江流域での文明の出現から夏殷周三代

中国文明の出現は周囲に影響を及ぼし出すが、まだ【第3期】以降ほど強力ではない。この時代の文明はまだ「点」でしかない。漢民族もいまだ出現せず、夏商周などの王朝も、中国統一王朝などといえるものではない。人々は依然、氏族部族的段階で生活し、東アジア地域はやはり大枠で一体の地域と言うべきであろう。

 

【第3期】             中国統一帝国への胎動 春秋から戦国、秦漢統一帝国へ

  春秋時代より激動発展期に入った中国文明は、それまでの「点」の状態から「面」の状態へと発展していく。戦国期には、既にかなりの民族一体化をなし、やがて秦漢統一帝国が誕生。中国中心部の諸部族・「民族」が融合、基本的には北方黄河流域と南方長江流域とが融合し、漢民族が形成され、今我々がイメージするような伝統的中国文明が形成される。この中国文明の激動は、東アジア全体に影響を及ぼし出す。日本列島への中国・江南からの弥生文化の伝播も、春秋末から戦国初にかけての江南地域の激動と無縁ではないだろう。

 

【第4期】             中国統一帝国の誕生 秦漢から唐

  春秋よりの中国の激動は、強力に周辺に影響し出すが、秦漢統一帝国の誕生はより強力な影響を及ぼし出す。列島でも、倭人は初めて中国史書に記載され、邪馬台国の卑弥呼などが朝貢を開始する。中国文明の巨大な影響を受けて、半島、列島なども文明への胎動を開始する。中国王朝は、やがて三国・南北朝などの「分裂」期を迎えるが、大勢に変わりはなく、半島の統一新羅や列島の日本国号国家などが出現。

 

【第5期】             中国統一帝国の発展 宋・元・明

  宋代以降の中国文明の発展は、半島・列島への貨幣の輸出に代表されるように以前より巨大な影響を及ぼし出す。列島では、列島内部の文明の発展とも相まって、列島はやがて南北朝、戦国という激動期に入り、この時期、最終的に列島は各種の意味で統合されだし、【第4期】に萌芽した日本文明が最終的に形成される。1)ほぼ完全な列島統一国家としての豊臣(続く徳川)政権、2)列島主要居民の最終的民族統合、今につながる日本伝統文化が形成されたのもこの時期とされる。朝鮮半島でも、ハングル文字の発明など、今に続く朝鮮伝統文化が形成されたのも、この時期であると考えられる。

 

【第6期】             近代への胎動 明末清初

  この時期、中国・朝鮮・日本がほぼ同時に取った海禁政策により、東アジア一体化の流れにストップがかかり、【第5期】の流れが確立し、現代につながる「国民国家」的な中国・朝鮮・日本が姿を現す。

 

【第7期】             近代

  東アジアへの欧米列強の侵略の本格化。中国の衰退・半植民地化、日本での明治維新、日本の欧米列強への仲間入り、朝鮮・中国への侵略の開始。日清・日露戦争。朝鮮の植民地化と清朝の滅亡。

 

【第8期】             現代

  中国辛亥革命、朝鮮の三・一独立運動。日本の中国への全面侵略と中国人民の抗日戦争の勝利、日本の降伏。南北朝鮮の成立と中華人民共和国の成立。以後の戦後史。